生産者名:AGRIST株式会社規模:30a生産地:鹿児島県東串良町(本社:宮崎県児湯郡新富町)栽培作物 :ピーマン導入製品 :ココカラバッグCP4、Xタイプ鹿児島県東串良町にある「AGRIST株式会社(以下アグリスト)(宮崎県児湯郡新富町)」のAIロボット農場では、自社で開発したAI搭載の自動収穫ロボットを導入して、ピーマンの栽培をおこなっています。これまでも当社のココカラバッグ(CP4)をご利用いただいておりましたが、より排水性が高くピーマン栽培に適したココカラバッグ-Xシリーズ-を新たに導入していただきました。今回のインタビューでは、農場生産部の金子拓生さんと大塩悟司さんに、Xシリーズの使用感や、アグリストさんの自動収穫ロボットについてお聞きしました。補足:CPタイプとXタイプの違いCPは保水性と排水性のバランスが良く、あらゆる作物に適したスタンダードタイプです。Xはピートにチップやファイバーを独自配合することで、高い排水性を実現。ピーマンやパプリカ、夏越しトマトなどに最適です。ーー排水性の高いX シリーズをご利用いただいています。生育状況はいかがですか。金子さん:管理がしやすいです。これまで経験と勘で行っていた栽培が、センサー(ソニー株式会社のセンサーを使用して実証中)も使用しながら見える化できるのはやりやすいです。Xシリーズはロックウールのような培地だと聞いていましたが、排水性が良いですよね。ココピートの中に大きめの粒(実)が混ざっていたり、繊維幅が不均一だと適切な管理ができないのですが、ココカラさんの培地は本当に土みたいでばらつきがありません。大原(ココカラ):こちらのXシリーズは、ロックウールの最大の利点である「有効水分量の高さ」をココピートで再現した製品になります。ロックウールとココピートの長所を持っているため、ロックウールのように、ECバランスで生殖成長へ傾けることができ、またココピートのように、潅水パターンや潅水量によっても生殖成長へのアクションが可能になります。↑ Xタイプの根張りの様子金子さん:こちらは想定していなかったのですが、結果的に水の管理がうまくできているので、作物が綺麗に育っています。ピーマン栽培において、Xシリーズが管理しやすいのかもしれません。CPと比較すると、Xシリーズの方が養液が縦に抜けていて、実が多く葉が少なく育っています。地上部の葉が小さいため、ストレスがかかり、生殖成長に寄っていると考えています。今後もCPとXシリーズを併用して利用していきます。大原(ココカラ):CPシリーズはスポンジのように、表面が乾いていても中に水分が保持されていて、絞ると水が出てくるイメージです。Xシリーズは、筆のように、水や肥料が繊維と繊維の間に入ってくるようなイメージなので、ロックウールと同じく根が水分や肥料をより吸いやすくなります。生殖成長へ傾けたいピーマンやパプリカや、冬は水をたっぷり入れても水は残り過ぎず、逆に夏は培地内に十分な水がある環境を求める夏越しトマトにオススメです。少量多灌水ができない灌水環境で、夏場に十分な水分を培地内に残したい場合は、繊維とココピートのうち、ココピートの割合を上げることで保水性を担保することもできます。↑ Xタイプ(左半分)とCP(右半分)の栽培比較ーー続いて、アグリストさんの自動収穫ロボットについて教えてください。大塩さん:ブラウザ上で収穫本数や往復の数、高さなどを設定できます。収穫には、ロボットが自動で作物の大きさを判断して収穫する方法と、人間が収穫の可否を遠隔で判断してロボットが収穫する方法の2つのモードがあります。大原(ココカラ):2023年にロボットを拝見させていただいたのですが、年々進化しているんですね。↑ アグリスト製ロボットが稼働する様子大塩さん:年々進化していて、以前は2本のベルトで果柄を巻き込みながら収穫するタイプのみでしたが、今はよりエラーが少なくなるハサミタイプのロボットを農場で稼働させています。2024年11月現在で収穫率は約10-15%(人による収穫も含めた全体の収穫量に占める割合)です。夜間運用でさらに収穫できれば、より人の役に立つと思っています。自動収穫ロボットには、収穫しながらデータを取得する機能もついています。ロボットは、上下しながら作物の画像を撮影し、生育調査などを人の代わりにしてくれるものです。環境のモニタリングができれば、少人数でも大規模な農園の管理ができるようになると考えています。データ管理と環境統合制御を合わせることで、AIを用いた収量予想の精度を向上させていきたいです。本日はインタビューのお時間をいただき、ありがとうございました。